外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの役割とは?

投稿日:2019年5月8日  更新日:2023年9月19日

塗装工事というとどんなイメージを持たれますか?

塗料をペタペタと塗っていく……このようなイメージでしょうか?

 

確かに塗料を塗る工事ではありますが、ただ闇雲に塗料を塗っても質の高い塗装とは言えません。

塗装は正しい手順を踏むことで塗料の効果を最大限発揮できます。

 

屋根塗装や外壁塗装は基本的に「下塗り→中塗り→上塗り(中塗りを上塗り1回目、上塗りを上塗り2回目と呼ぶこともあります)」の合計3回塗りで行います。

 

※塗装工程は塗料の仕様によって変わります。塗料によっては下塗り不要な場合もあります。また、塗膜厚が確保できていなければ3回塗ったとしても性能が低下してしまうため、仕様どおりの塗膜厚を確保できるまで塗料を塗り重ねる必要があります。

 

ちなみに屋根塗装も同じ流れで塗装されますが、さらに縁切りという工程も行っておかないと雨漏りの原因になってしまいます(現在はタスペーサーを設置するのが一般的です)。

 

当社のホームページでもお伝えしておりますが、お客様か広告やカタログで目にするシリコン塗料やフッ素塗料は、塗装工事の中塗りと上塗りで使用する塗料です(上塗り剤、仕上げ剤と呼んでいます)。

 

塗装工事の「下塗り」で使用する塗料はシーラーやプライマーなどの下塗り剤を使用し、外壁や屋根の状態、素材などに応じて適切なものを使い分ける必要があります。

 

そのため、下塗り塗料の選択を間違えると、どんなに耐久性に優れた上塗り塗料で塗装しても短期間で塗膜が剥がれてしまう危険性があるのです。

このように塗装は「正しい塗装工程」「適切な塗料選び」が非常に重要となります。

 

それでは次に塗装工事の「下塗り」「中塗り」「上塗り」について各工程ごとに役割をご説明いたします。

 

【塗装工程の「下塗り」「中塗り」「上塗り」の役割】

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの役割とは?

【下塗り(1回目)】

外壁は経年劣化で荒れています。この状態で塗装しても塗膜はうまく密着しないため、前述した下塗り剤を塗って下地と上塗り剤を結びつけるクサビを作ります。

 

このクサビとなる塗膜を作るのが下塗りの役割です。また、塗料の吸い込みを抑える効果もありますので、色ムラを防ぎます。経年劣化で外壁が凹凸になってしまっている場合も塗料の付着力を低下させますので、このようなケースではフィラーなど肉厚な塗膜を形成する下塗り剤で外壁を平滑にします(軽微なクラックも補修可能です)。

 

下塗り剤は基本的にホワイトまたは透明です。下地の色が浮き出てくる可能性がある場合は、ホワイトで塗装すると美しく塗装を仕上げることができます。

 

【中塗り(2回目)】

続いて中塗りは「上塗り剤(仕上げ剤)」を塗っていく工程です。「上塗り剤」は建物の美観性を向上させること、建物の劣化を防ぐ(保護する)ことが主な目的です。

 

塗料はウレタン、シリコン、フッ素など配合する樹脂に種類があります。現在ではシリコン塗料が主流でして、さらに性能を高めたラジカル制御型塗料というものもあります。

 

塗料の種類についてはこちらの「外壁塗装の塗料はどう選べばいい?種類と選び方を解説!」をご覧ください。

 

上塗り剤はほとんどのメーカーの仕様が2回塗りとなっています。中塗りはその仕様の1回目の塗装工程ということです。なぜ中塗りと上塗りで工程を分けているかは次の「上塗り(3回目)」の項で詳しく解説いたします。

 

【上塗り(3回目)】

最後に3回目の塗装工程を上塗りといいます。先ほどもお伝えしたように上塗り剤は基本的に2回塗り。その2回目の工程を上塗りと呼んでいます。そこで気になるのが、同じ塗料を塗り重ねるだけなのに、なぜ工程を分けているかですよね。

 

その理由は塗膜を乾燥させることがポイントです。中塗りを終えてすぐはまだ塗料が乾いていないため、塗膜ができていません。この状態だとまだ水分が残っています。

 

もし乾いていない状態で塗装するとどうなるのかというと、塗膜に残る水分が影響して塗膜が膨れるなどの施工不良を起こしてしまいます。また、塗料は一度に塗れる量(塗布量)がメーカーの仕様により決まっています。一度に塗料をたくさん塗ってしまうと、これも塗膜の膨れなどの施工不良を起こしてしまうのです。

 

このように正常な塗膜を作るために、中塗りと上塗りで工程を分けているのです。そして、塗料を塗り重ねて塗膜に厚みをつけることで、メーカーが提示している性能を最大限発揮することができます。

 

下塗りと上塗りの違いについては「外壁・屋根塗装の下塗りと上塗りはどう違うの?」でも詳しく解説しておりますので、良ければこちらもご覧ください。

 

【さいごに】

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの役割とは?

いかがでしたか?

塗装工事は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の最低3回塗装する必要があること、下塗りではシーラーなどの下塗り剤を、中塗りと上塗りは上塗り剤(仕上げ剤)を使用するなど決まった仕様、施工方法があるということをご理解いただけたかと思います。

また、塗料の性能を最大限発揮させるためには、塗膜厚を確保することが重要です。

 

当社にご相談してくださったお客様のお話ですが、フッ素塗料で塗装したのにわずか3年で劣化してきてしまい、それでお客様の建物を診断させていただきますと、メーカーの仕様よりも塗布量が少なく、下地から塗膜が剥がれてしまっているところが見られました。お客様もよくよく思い出すとフッ素塗料なのに安いなと思ったそうです。

 

性能の高い塗料なら当然ですが、耐久性が高くて長持ちします。

しかし、適切な方法で施工していなければ、その恩恵を受けることができないばかりか、通常の塗料よりも早くに不具合を起こしてしまいます。

 

安かろう、悪かろうで後悔してしまうのはもったいないです。

塗装工事は値段だけで判断しないようにご注意くださいね。

 

当社はお客様が安心して工事をまかせていただけるように、建物の状態や必要な工事、今後必要になってくる工事など大切なお住まいの維持管理について丁寧にご説明をさせていただいております。

 

もちろんメーカーが提示する仕様どおり工事をいたします。

工事後もアフターサポートや工事保証をご用意しておりますので、お引き渡しした後もご安心ください。

 

リフォームの森は無料で建物診断を実施しております。

詳しくはこちらの「屋根・外壁0円診断」をご覧ください。

 

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保有資格一覧

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  • 外壁診断士
  • 有機溶剤作業主任者
  • 高所作業車技能講習終了
  • 足場の組立作業責任者
  • 安全衛生教育修了
  • 労働安全衛生法による技能講習終了
  • 他、多数

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