下地調整の重要なポイント5 縁切り作業
投稿日:2019年8月5日 更新日:2024年2月26日
目次
スレート(コロニアル、カラーベスト)の塗装は、縁切りという外壁塗装にはない工程があります。
縁切りは、スレートの重なりに隙間を設ける工程でして、雨漏りを防ぐ重要な工程となっています。
適切に施工されていないと水が内部に溜まり、雨漏りを起こしてしまいますので、これからスレートの塗装をお考えの方は、縁切りとはどんな工程なのかぜひ把握しておきましょう。
【縁切り作業とは?屋根の構造と雨漏りが起きてしまう理由】
縁切りは塗膜による密閉を防ぐために行う工程です。
スレートを塗装すると継ぎ目のところが塗膜で塞がれてしまいます。
塗膜で隙間が塞がれると屋根内に流れ込んだ雨水が外に逃げなくなり、屋根内で溜まってしまいます。
また、通気も取りにくくなりますので、湿気もこもりやすくなります。
【屋根の構造】
屋根はこちらのように3層構造となっております。
1層目:野地板(下地)
2層目:ルーフィング(防水シート、二次防水)
3層目:スレート(一次防水)
水や湿気が溜まるのは2層目と3層目の間です。
本来は水が屋根内に流れ込んでもルーフィングの上を通り、スレートの重なりにある隙間から水が流れます。
隙間がありますので、湿気がこもることもありません。
【雨漏りが起きてしまう理由】
このようにルーフィングとスレートの間に水や湿気が溜まることで、通常よりも劣化が早まりルーフィングの機能が低下して水がさらに内部へと流れていくことになります。
ルーフィングは屋根防水の要でして、どんなに屋根材が正常でもルーフィングが水を染み込むようになっていたら雨漏りを起こしてしまいます。
ルーフィングよりもさらに奥へと水が染み込めば、今度は野地板が濡れて腐食してしまいます。
そして屋内へと水が流れて被害が拡大していくのです。
雨漏りについてはこちらの「雨漏りを放置すると大変!発生原因と対処方法」をご覧ください。
【縁切りは二つの方法があります】
縁切りはこちらの二つの方法があります。
・塗装後、塗膜をカッターなどで切り込みを入れる
・タスペーサーを設置する
現在ではタスペーサーを設置するのが一般的となっています。
塗膜に切り込みを入れるのは従来の縁切りのやり方でして、この方法は塗装が仕上がった後に行うため、せっかく塗装した屋根を傷つけたり、汚してしまったりするリスクがあります。
タスペーサーはスレートに差し込むだけで縁切りが行えますから、塗装したスレートを傷つけずに仕上げることができます。
【施工性と精度に優れるタスペーサー】
タスペーサーの役割は?
タスペーサーは上記の画像にある厚さ5mmほどの部材です。
このタスペーサーをスレートの両端に一つずつ差し込んで設置します。
タスペーサーを設置することでスレートが持ち上がり、塗装をしても隙間を確保できるのです。
前述しましたが、現在ではタスペーサーを用いるのが一般的です。
タスペーサーを使う利点はこちらのようなことがあります。
・施工が容易
・精度が安定している
・塗装したスレートを傷つける心配がない
塗膜に切り込みを入れる場合は、塗装した後に縁切りを行うことになります。
これだとせっかく仕上がった屋根の上にのって作業を行うことになるので、屋根を傷つけるリスクがあります。
それに代わってタスペーサーなら下塗りした後に行えますので、仕上がった屋根を傷つける心配がありません。
また、施工精度もタスペーサーのほうが優れています。
タスペーサーはスレートに差し込むだけで縁切りを行えますから、施工が簡単で精度も安定しています。
雨漏りに関わる工程ですから、適切に縁切りが行われていることが非常に重要なのです。
タスペーサーについてはこちらの「タスペーサーの重要性 ~雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは」をご覧ください。
【スレートの塗装を行うときは縁切りの工程をご確認ください!】
スレートを塗装するときは、縁切りの工程がとても重要となります。
これからスレートの塗装をお考えの方は、必ず縁切りの工程についてよくご確認ください。
工事内容の確認は、見積もりの内訳をよくチェックし、業者からの説明をよく聞くことが大事です。
もし、見積もりの内訳が曖昧で、説明も具体的にしてくれない業者は要注意です。
屋根塗装は屋根の上で行われる工事ですから、外壁塗装のようにどんな作業をしているのか確認することも難しくなっています。
業者の中には杜撰な工事をする業者もいます。
スレートの塗装をするときは、適切な工事をしてくれる業者なのか慎重に見極めください。
リフォームの森は建物診断を無料で行っております。
お住まいのメンテナンスのことでなにかお困りのことがございましたら診断いたしますので、お気軽にご相談ください。
無料診断はこちらの「屋根・外壁0円診断」をご覧ください。
“mu”
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