塗装の重要な下地処理の一つ!良好な下地に調整するケレンとはどんな作業?
投稿日:2023年1月6日 更新日:2023年3月2日
目次
外壁塗装はたくさんの専門用語がありますが、その一つがケレンという言葉です。おそらくですが、外壁塗装工事を行うとケレンという言葉を目にするかと思います。
ケレンは外壁塗装で大事な下地処理の一つでして、ちゃんとケレンがされているかで塗装の耐久性が変わります。外壁塗装は数十万円と高額工事ですから、すぐにダメになってしまったら嫌ですよね。
長持ちする塗装に仕上げるためにもケレンはとても大事な作業ですので、ぜひ今回お伝えするケレンとはどんな作業なのか、どれくらい重要なのかを押さえておきましょう!
【ケレンとはどんな作業?】
ケレンは、
・1種ケレン
・2種ケレン
・3種ケレン
・4種ケレン
と4つの方法で分類されています。
「1種ケレン」と「2種ケレン」は、塗膜を完全に除去して素地の状態にする方法なので、まず住宅工事で行われることはほぼないでしょう。
外壁塗装で行われるケレンは「3種ケレン」と「4種ケレン」の二つの方法です。
3種と4種の違いは以下の通りです。
【3種ケレンはサビや汚れなどの不純物を除去して活膜(旧塗膜)を残す方法】
サビや劣化した塗膜、汚れなどを除去して活膜(旧塗膜)を残す方法です。
3種ケレンはサンドペーパーやスクレーパー、ディスクサンダーなどの工具を使用して行います。
【4種ケレンは良好な下地に行われる方法】
4種ケレンは3種ケレンと似ていますが、下地の状態は比較的に良好でして、下地に付着する汚れや白亜化で生じた粉化物をサンドペーパーなどで除去して活膜(旧塗膜)残します。目荒らしとも呼ばれていまして、凹凸になっている下地を平滑にする目的もあります。
平たく言うと、ケレンは下地を研磨して塗装が付きにくくなる不純物を除去する作業のことです。
研磨作業といっても、その効果は塗装の耐久性に大きく影響してきます。それでは次にケレンの目的について見ていきましょう!
建物は年数が経過すると次第に劣化してきます。劣化すると色々な症状が現れてきて、それがメンテナンスのサインとなります。メンテナンスのタイミングを逃さないように普段から劣化症状が出ていないか建物の状態を見ておきましょう。
劣化症状についてはこちらの「こんな症状には要注意」をご覧ください。
【ケレンは塗装の品質に影響する?ケレンをする目的】
それではケレンの目的を見てみましょう。
ケレンの目的は主に二つ。
・塗装の密着性を高め、長持ちする塗装に仕上げるため
・凸凹になっている下地を平らに整えて塗装を美しく仕上げるため
それではどうしてケレンをすると塗装の密着性上げることができ、美しく塗装が仕上がるのか説明していきます。
【塗装が密着しやすい下地にするため】
年数が経過してくると外壁や屋根などの汚れが目立ってきます。塗装もだんだん色褪せてくるので、建物も古く見えてきてしまいます。
このときに外壁や屋根などには汚れや古くなった塗膜、サビ、コケなどがたくさん付着している状態です。塗装をしてしまえば、こういった見栄えを落とすものはすべて隠れてしまいますので、外観上はとくに問題ありません。
ですが、当然この状態で塗装をすれば下地への密着性は落ちるため、塗装は短期間で剥がれてしまうでしょう。
ケレンは塗装の密着性を落とす不純物を除去して、塗装が密着しやすい下地に調整する大事な目的があります。
【荒れている下地をきれいに整えるため】
ケレンの目的は塗装が密着しやすい下地に整えることだけではありません。
経年劣化した下地は傷などでデコボコになっています。ガタガタな状態で塗装しても形状はあまりきれいではありませんから、仕上がりも中途半端ですよね。
ケレンはこういった荒れている下地を研磨して塗装を美しく仕上げる目的もあります。
下地を平らにすることを「平滑にする」ともいいます。ケレンは塗装の耐久性を高めるだけでなく、見栄えの美しさにも大きく影響してくるのです!
【ケレンを行うところと行わないところ】
ケレンが大事ということをここまでお伝えしてきましたが、ケレンを行わないケースもあります。
ケレンを行わないケースは、
・ケレンで不純物を除去する必要ない外壁
・下地の劣化が進み、ケレンすると朽ちてしまう
などです。
【外壁は下塗り剤で密着性を上げる!ただし、ケレンが必要になる外壁もある】
外壁は100㎡以上もありますので、手作業ですべてケレンするのはとても時間がかかってしまいます。
ケレンは塗装の密着性を上げるという大事な目的がありますが、外壁には基本的に行われません。
しかし、「それでは塗装がすぐに剥がれてしまうのでは?」と思われるかもしれませんが、外壁の場合はシーラーやプライマー、フィラーなどの下塗り剤を使って塗装の密着性を上げます。
また、下地処理はケレンの他に高圧洗浄という作業もあります。高圧洗浄は建物に付着する汚れやコケ、白亜化した粉化物などを洗い流しますので、汚れたまま塗装するということはありません。
外壁は洗浄した後にコーキング工事や補修などを行って、その後に下塗りで塗装の密着性を上げていく流れになります。下塗りをすればケレンをしなくても十分に塗装は長持ちしてくれるのでご安心ください。
下地処理についてはこちらの「施工の際の下地処理」をご覧ください。
ただし、ケレンが必要になる外壁もありますのでご注意ください。
天然石を含んだセラミック塗料など塗装の密着性が悪く、下塗りだけでは対応できない外壁はケレンが必要になることがあります。
下地処理の対応は実際に外壁の状態を見る必要があります。外壁塗装工事をご検討している方は、一度専門業者に状態を見てもらうことをおすすめします。
リフォームの森は無料で建物診断を行なっております。お住まいのことで何かお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
詳しくはこちらの「屋根・外壁0円診断」をご覧ください。
【下地の劣化が激しいとケレンできない】
下地の劣化が激しいとケレンができなくなってしまいますので、絶対に劣化を放置しないことです!
木部や鉄部はとくに注意が必要でして、サビや腐食を起こすと材自体が脆弱になり、ケレンをすると穴が開いてしまったり、ボロボロと朽ちてしまったりします。
当然、この状態で塗装することは難しく、交換や張り替えなどを行なって新しくする必要があります。
金属屋根は施工面積も広いため、工事も大掛かりになってしまいますので、サビが発生する前に対処することが大切です。
劣化症状についてはこちらの「外壁塗装の劣化を見逃さない!よく見られる劣化症状を解説!」もご参考にしてください!
【ケレンが抜かれていないかチェックするにはどうしたらいい?】
ここまでお伝えしたとおり、ケレンは塗装の耐久性や仕上がりの美しさにとても関わってくる大切な作業です。下地を整えずに塗装してしまうとすぐに剥がれてしまいますから注意しましょう。しかし、ケレンは確認しづらい作業でして、塗装が仕上がってしまうとケレンをしたのか、していないのかわかりません。
見えなくなってしまうことをいいことに手抜き工事もされてしまいやすいのです。
手抜き工事を防ぐには、
・見積もりにケレンがあるかチェックする
・業者から下地処理について説明をもらう
・各工程の施工写真を撮ってもらう
・アフターサポートや工事保証があるか確認する
などの対策があります。
外壁塗装は簡単にやり直せるものではありませんので、手抜き工事をされてしまわないように、ぜひ上記の対策を実行してください!
業者選びについてはこちらの「外壁塗装は簡単にやり直せない!悪徳業者に騙されないための対策!」をご覧ください。
“mu”
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